課税タイミング(前編)に続き、今回もSBI VCトレード株式会社 代表取締役社長の近藤氏と、暗号資産税務のスペシャリスト・公認会計士税理士の米満先生をお招きし、さらにディープな税金の世界を解説していただきます。
後編となる今回は、多くの投資家を悩ませる「総平均法 vs 移動平均法」の徹底比較シミュレーション、そして「雑所得の落とし穴」について。 動画では語りきれなかった背景知識も補いながら、徹底解説します。
第1章:おさらい&自己紹介~

まずは、今回の豪華な解説陣を改めてご紹介しましょう。
近藤 智彦 氏(SBI VCトレード株式会社 代表取締役社長) 2007年からSBIグループに従事し、インターネット金融の最前線を走り続けてきた金融のプロフェッショナル。現在は、国内最大級のセキュリティと信頼性を誇るSBI VCトレードのトップとして、暗号資産やステーブルコイン(電子決済手段)の普及に尽力されています。
米満 建太郎 先生(公認会計士・税理士 / 株式会社LOOK UP代表) 暗号資産取引に特化した会計事務所を運営する、この道のエキスパート。複雑怪奇なクリプト税務を、投資家目線でわかりやすく紐解く解説には定評があります。
前編の重要ポイント:課税の4大タイミング
本題に入る前に、前編の動画で解説された「税金が発生する(利益が確定する)4つのタイミング」を30秒で復習しておきましょう。ここを理解していないと、後編の話についていけません。
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売却(日本円への換金): 一番わかりやすい利確です。
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交換(暗号資産同士のトレード): ビットコインでイーサリアムを買った瞬間、ビットコインを売却したとみなされます。(要注意!)
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決済(モノ・サービスの購入): ビットコインで買い物をしたら、その支払額分の利益確定とみなされます。
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報酬(レンディング・ステーキング): 利息を受け取った瞬間の時価で課税されます。
「ガチホ(保有し続けること)」以外は、基本的にすべて課税イベントが発生する。この厳しい現実を踏まえた上で、今回は「じゃあ、いくら払えばいいの?」という計算の話に突入します。
第2章:ステーキング&レンディング、その「報酬」はいつ計算する?

動画の冒頭、近藤社長から改めて解説があったのは、近年利用者が急増している「ステーキング」と「レンディング」についてです。
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ステーキング: 暗号資産を保有し、ブロックチェーンの維持に貢献することで報酬を得る仕組み(銀行預金の利息に近いイメージ)。
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レンディング: 暗号資産を取引所に貸し出し、貸借料を得る仕組み。
SBI VCトレードでは、これらのサービスが非常に充実していますが、税務上の取り扱いはどうなるのでしょうか。
米満先生の回答はシビアです。 「報酬を受け取った都度、その時点の時価で計算が必要です」
例えば、毎月報酬が入ってくる場合、毎月その日のレートを確認し、日本円換算して利益を計上しなければなりません。 「年間の合計でいいや」ではなく、「着金した瞬間」が課税ポイント。 取引回数が多いと、この集計作業だけで膨大な手間になります。だからこそ、後述する「信頼できる取引所のデータ」が重要になってくるのです。
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第3章:なぜ暗号資産は「雑所得」なのか? サラリーマンを襲う「損益通算不可」の悲劇

次に議論されたのは、所得区分の問題です。 「暗号資産で生活してるんだから、事業所得にして青色申告したい!」 そう願う専業トレーダーも多いですが、現実は甘くありません。
「雑所得」vs「事業所得」
米満先生によると、暗号資産の利益は「原則、雑所得」です。 国税庁の指針では、以下の条件を満たせば「事業所得」として認められる可能性があるとされています。
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暗号資産の収入が年間300万円超
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帳簿書類を保存している
「お、300万円超えればいいの?」と思いきや、実務上はそう簡単ではありません。 「営利性、継続性、独立性、事業規模……これらを総合的に判断して、ほとんどの場合は『雑所得』とみなされます」(米満先生)
つまり、サラリーマンが副業で数千万円稼ごうが、それはあくまで「雑所得」扱いになるケースが圧倒的に多いのです。
最大のデメリット:「損益通算」ができない!
雑所得であることの最大の痛みは、税率が高いこと(最大55%)に加え、「損益通算ができない」点にあります。
動画内で米満先生が挙げた例が衝撃的でした。
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給与所得:1,000万円(プラス)
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暗号資産:100万円(マイナス・損失)
普通の感覚なら、「1,000万 - 100万 = 900万円」に対して税金を払えばいいと思いますよね? しかし、雑所得は他の所得と合算(相殺)できません。
結果:給与の1,000万円に対して満額課税。暗号資産の100万円の損は、ただの損として消える。
さらに、「繰越控除」もできません。今年出した100万円の大損失を、来年の利益と相殺することもできないのです。 株やFXなら3年間の繰越控除が認められていますが、暗号資産にはその救済措置がありません。これが「暗号資産税制は厳しい」と言われる所以です。
※動画内の補足として、CFD(差金決済取引)についても言及がありました。FXのCFDは申告分離課税ですが、暗号資産のCFDは「総合課税の雑所得」です。ここも混同しやすいので注意が必要です。
第4章:【最重要】「総平均法」vs「移動平均法」同じ取引なのに利益が50万円も違う!?

さて、ここからが本動画のハイライト。 「利益の計算方法」についてです。
暗号資産の取得単価(平均購入価格)を計算する方法には、大きく分けて2つのルールがあります。
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総平均法: 1年間の購入総額を、購入総量で割って平均単価を出す方法。
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移動平均法: 購入の都度、平均単価を再計算する方法。
「どっちでも結果は同じでしょ?」 そう思ったあなた。その認識は危険です。 米満先生が示したシミュレーションを見てみましょう。
衝撃のシミュレーション
ある年に、以下のような取引をしたとします。相場は右肩上がりで推移しています。
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1月: 1BTCを100万円で購入
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6月: 1BTCを200万円で購入
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8月: 1BTCを250万円で売却(利確!)
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11月: 1BTCを300万円で購入
この年、あなたは「いくら儲かった」ことになるでしょうか?
ケースA:総平均法の場合
総平均法では、1年間に買ったすべてのビットコインを平均します。 (100万 + 200万 + 300万) ÷ 3枚 = 平均取得単価 200万円
8月に250万円で1枚売ったので…… 売却額 250万円 - 取得単価 200万円 = 利益 50万円
ケースB:移動平均法の場合
移動平均法では、「売った時点」での平均単価を使います。 8月に売却するまでに持っていたのは、1月と6月に買った2枚だけです。 (100万 + 200万) ÷ 2枚 = 平均取得単価 150万円
8月に250万円で1枚売ったので…… 売却額 250万円 - 取得単価 150万円 = 利益 100万円
結論:利益額が倍になった!
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総平均法:利益 50万円
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移動平均法:利益 100万円
同じ取引をしたにもかかわらず、計算方法が違うだけで、その年の利益(=課税対象額)に50万円もの差がつきました。 もし税率が30%だとしたら、納税額が15万円も変わる計算です。
どっちを選べばいいの? プロの推奨は…
「えっ、じゃあ利益が少なくなる『総平均法』の方がお得じゃん!」 直感的にそう思うかもしれませんが、話はそう単純ではありません。 米満先生の解説によると、「長期的(暗号資産をすべて売り切ったとき)に見れば、トータルの利益額は同じになる」のです。 あくまで、利益が「今年出るか」「将来に先送りされるか」の違いです。
では、実務的にはどちらを選ぶべきか? 米満先生のアドバイスは明確でした。
「初心者の方は、管理が楽な『総平均法』がおすすめです」
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総平均法のメリット: 年末にまとめて計算できる。計算がシンプル。
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移動平均法のメリット: リアルタイムで正確な損益がわかる(が、計算が超面倒)。
特に届け出をしない場合、自動的に「総平均法」が適用されます。 もし「移動平均法」を使いたい場合は、3月15日までに税務署へ届け出が必要です。
【注意!】一度選択すると、原則3年間は変更できません。 「今年はこっち、来年はあっち」という都合のよい変更は認められないので、慎重に選びましょう。 ただし、「ビットコインは総平均法、イーサリアムは移動平均法」といった銘柄ごとの選択は可能とのこと。これは意外と知られていないテクニックですね。
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第5章:計算地獄から脱出するには?「取引所選び」がすべての鍵

ここまで読んで、「計算めんどくさすぎる……」と絶望した方もいるかもしれません。 1年間のすべての取引を記録し、レートを確認し、平均単価を出す。 これを手計算でやるのは、正直言って不可能です。
そこで重要になるのが、「どの取引所を使っているか」です。
米満先生は、税理士の立場からこう語ります。 「正確な計算には、正確な取引履歴(ログ)が必須です。しかし、相談に来る方の多くが『履歴がない』『パズルのように穴抜けになっている』状態なんです」
海外の怪しい取引所や、分散型取引所(DEX)を複雑に経由していると、履歴を追うだけで膨大なコスト(税理士報酬)がかかります。最悪の場合、計算不能で申告できないリスクすらあります。
SBI VCトレードを選ぶという「税務上の戦略」
ここで、近藤社長率いるSBI VCトレードの強みが光ります。
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国内最高峰の信頼性: SBIグループの100%子会社であり、システムダウンやハッキングによる資産流出(GOX)の過去がない。
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完璧なデータ提供: 確定申告に必要な「年間取引報告書」や取引履歴(CSV/PDF)が、マイページから簡単に、正確な形でダウンロードできる。
「安心できる取引所で、すべての取引を完結させておく」 これだけで、確定申告の手間と税務調査のリスクは劇的に下がります。 税務調査が入ったときも、SBI VCトレードのロゴが入った報告書があれば、調査官に対する心証も全く違うことでしょう。
「税金計算の前段階として、まずはお客様の資産を守り抜くこと。その上で、計算に必要な帳票類もしっかり出力できる体制を整えています」(近藤社長)
セキュリティだけでなく、「出口(納税)」を見据えた取引所選び。これこそが、賢い投資家の第一歩と言えそうです。
第6章:【限定告知】米満先生に無料で相談できる!?「資産運用フェス2026」
ここまで記事を読んで、 「基本は分かったけど、私のこのケースはどうなるの?」 「海外取引所も使っちゃってるんだけど、どう整理すればいい?」 「新NISAと暗号資産、どういうバランスで持てばいい?」 といった、個人的なモヤモヤを抱えている方も多いはず。
そんなあなたに朗報です。 なんと、動画で解説されていた米満先生に、直接、しかも無料で相談できるチャンスが到来します!
SBI証券主催「資産運用フェス2026 Spring」
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日時: 2026年2月15日(日)
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場所: 東京国際フォーラム
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入場料: 無料(事前申込制)
このイベントにおいて、SBI VCトレード様(ブースNo.32)はもちろん、私たちマネーアドバイスセンター株式会社(ブースNo.43)も出展いたします。
そして、マネアドのブースには、米満先生が「税務相談担当」として常駐してくださいます! ネットや本には載っていない、あなただけの個別具体的な悩みを、プロ中のプロにぶつけることができるまたとない機会です。
さらに、当日は16:55から近藤社長の講演も予定されています。これからの暗号資産市場の展望や、SBIの戦略について直接聞けるチャンスです。
参加は無料ですが、事前申し込みが必須です。 毎年大盛況のイベントですので、枠が埋まる前に必ず申し込みを済ませておいてください。
まとめ:知識武装と「相談できる相手」を持とう
前後編にわたりお届けした、暗号資産の税金特集。いかがでしたでしょうか。
今回のポイントまとめ
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暗号資産は原則「雑所得」。 損益通算はできない厳しいルール。
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ステーキング報酬は「着金時」に課税される。
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「総平均法」と「移動平均法」では、単年度の利益が大きく異なる場合がある。
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初心者は「総平均法」が無難。変更には「3年縛り」があるので注意。
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計算を楽にするために、SBI VCトレードのような信頼できる取引所を利用する。
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困ったら一人で悩まず、2/15の資産運用フェスで専門家に相談する。
暗号資産は、大きな利益をもたらす可能性がある魅力的な資産です。 しかし、税金の知識がないまま突き進むのは、ブレーキのない車で高速道路を走るようなもの。 しっかりと知識武装し、信頼できる取引所を選び、そして困ったときには私たちのような専門家を頼ってください。
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マネーアドバイスセンター株式会社について
マネーアドバイスセンター株式会社は、SBI証券の登録第1号IFAとして、
資産形成層から富裕層まで幅広いお客様に、運用・相続・贈与など総合的なコンサルティングを提供しています。
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登録番号:関東財務局長(金商)第431号
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所在地:東京都千代田区二番町8-3 二番町大沼ビル4階
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電話:03-5212-1690(平日9:00〜17:00)
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