- 証券外務員二種
- 日本FP協会認定 ファイナンシャルプランナー(AFP)
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- 猫が好き
私がIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として活動を始めたばかりの頃、信用も実績もほとんどない状態で、最初にお客様になってくださった方のことを、今でも鮮明に覚えています。お客様は70代後半の女性で、長年にわたりご主人の介護をされていました。そのような状況の中、私に資産運用を任せるという大きな決断をしてくださったことに、今でも感謝の念が尽きません。
初めてご自宅にお邪魔した際、リビングの入り口のドアノブが壊れていることに気付きました。お客様は特に多くを語られませんでしたが、その不便さが日常に与える影響は容易に想像できました。数日後、私はDIYでそのドアノブを修理しに伺いました。お金の相談に来たIFAが、いきなり修理屋のようなことをしている姿に、お客様は少し驚かれたようでした。
こういった出来事などもあり、何度かお会いさせて頂いているうちに、お客様は資産の一部を私に運用を任せてくださるようになりました。月に一度、お食事を共にしながら資産運用の報告をするような関係が続き、気がつけば数年の月日が流れていました。
やがてお客様が80代に差し掛かる頃、ご主人が他界されました。お独りになられたお客様は、子供たちに迷惑をかけたくないと強く思っておられました。その想いを汲み取り、私は徐々に投資から離れる形を提案させて頂きました。またご家族と同居されていませんので老人ホームの見学をご一緒にさせて頂いたりと、終活の準備をお手伝いさせて頂きました。
「心強かった本当にありがとう」とおっしゃってくださり胸が熱くなったのを今でも覚えています。
この経験を通じて、資産形成の本質は単にお金を増やすことではなく、お客様の将来に対する不安を取り除き、心身ともに健康で豊かな生活を送るお手伝いをすることだと強く感じました。お金はあくまで手段であり、それを増やすことが目的ではありません。お客様が心に不安を残さず、無理のない範囲で資産運用を行い、不自由のない生活を送ることこそが、私の仕事の本質であると再確認しました。